第12章 どうか私と貴女に永劫の別れを/エミリー(ウィルオ)
私がここにいる理由はとうの昔に朽ちて消えてしまっていたのかもしれない。あの精霊人形が目覚めたその瞬間に私は存在意義を失ったのかもしれない。
だから、おそらくあと数日で壊れてしまうであろうこの身体は運命なのかもしれない。
壊れる、といってもただ私がこの人形としていられることができなくなりまた精霊に戻るだけのことだけども。
私にとってはななし様の側にいられなくなることは死に等しいものだった。
その時が近いのだと悟った私は自分でも驚くほどに冷静でいられたのはある意味彼らのおかげなのかもしれない。或は、当然なのだと受け入れていたのかも。
昔ならば、何がなんでも抗っていただろうに。
「ごめんなさい」
存在意義を失ってなお生きていけるほど私は強くはなかった。強くいられなかった。
彼女の側にいられなくなることは切り裂くように私の心を痛めるのだろうけど、今この時も酷く心を痛めている。
「ごめん、なさい、ななし、様……」
どうか私と貴女に永劫の別れを
(そしてどうか私のことなど忘れて)
(大好きな、人)