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短編ごった煮

第6章 ぎゅっとして!/那月(うたプリ)


ゲーセンなどでお馴染みのアレ、UFOキャッチャー。
それがやたらと上手い友人がいる。
よくそこまで金をつぎ込めるなと半ば呆れそうになるほど取るわ取るわ。
一部の人間に神呼ばわりされ崇拝される程度の熟練度だ。
しかも欲しいものならまだしも、そいつは要らないものまで取る。取って取って取りあさる。
そしてそいつは要らないものは他の誰かに譲っているのだ。
体よく言えばプレゼント。
その実言えば単なる押し付けである。
そして、今私の腕の中には、いらなかったら誰かにあげればいいよなんて言葉とともに例のごとく『プレゼント』された黄色の物体があった。……正直、いらなかった。
結局私は友人のお言葉に甘えて、『プレゼント』をある人物に『プレゼント』することにした。



「ってなわけで、このピヨちゃんのぬいぐるみ、なっちゃんにあげるよ」
「っ本当ですか!? ありがとうございますななしちゃん!」

ことのあらましとともになっちゃんにピヨちゃんのぬいぐるみを差し出すと、にっこりきらきら笑顔が返ってきた。
言ってしまえば要らないものの押し付けの更に押し付けだ。それなのに、目一杯喜んで貰えてるようで嬉しいながらもなんだか申し訳ない。

「このぬいぐるみね、小ぶりだけど抱き枕なんだよ」
「そうなんですか?」
「うん。だからとっても抱き心地いいんだ」

そう言いながら少しだけ名残惜しくなって、最後にぎゅっとピヨちゃんを抱き締めた。
うん、やっぱり抱き心地がいい。
その心地よさに思わず頬が緩んでしまった。
きっとなっちゃんも気に入ることだろう。

「……可愛いですね」
「うんうん、可愛いよねこのピヨちゃんぬいぐるみ。それにぎゅーってしてると気持ちいいんだよ。ほら、なっちゃんもぎゅってしてみて」
「はい」

ピヨちゃんをなっちゃんに差し出して誘いかければ、なっちゃんは笑顔で頷いて手を伸ばし、ぎゅっと抱き締めた。





……私を。



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