第1章 俺が彼女を好きになる迄の話。
□鈍感な君と青い兄
◆◆◆◆◆◆
「なんなんだろうなぁ…。
俺、が隣に居ねぇと落ち着かねぇんだ。」
炭治郎、伊之助、善逸とたまたま会ったので、近状報告がてらそんな話をすると、炭治郎と善逸は何故か興奮した様子で俺に顔を近づけた。
「玄弥!ソレは恋をしているんじゃないのか?」
「へ?…こ、恋!?」
「えー、絶対そうでしょ!!どう考えてもそうだよ!!寧ろ何で分かんないの!?」
俺も、その線は考えなかった訳ではないし、どうこうしようと思わない理由も分かっている。
「…い、いや。俺だって色々…感ずいては居たけどさ。…は悲鳴嶼さんの特別で、兄ちゃんの想い人だぞ?………どうにも出来ねぇよ。」
俺の言葉に2人はこれでもかと目を見開いた。
「「…は?兄ちゃんの想い人?」」
まぁ、確かに。2人の印象では兄ちゃんが色恋事に首を突っ込んでいる印象は皆無なのだろう。けれど、恐らく…俺の感じているコレは事実なのだ。
「い、いや。多分…何だけどさ。
あの2人に俺は勝てねぇよ、色々と。」
「玄米は玉砂利親父と傷のおっさんと戦うのか!?俺も連れて行けっ!!力比べすんだっ!!!」
「アホンダラ、そういう戦うじゃねぇよ。…そうだな。伊之助に説明すんのは難しいな。」
「…なんだぁ?」「…あー、どう言えば…。」
俺が謎の勘違いをしている伊之助にどうにか説明をしている横では炭治郎と善逸が首を傾げている。