第1章 俺が彼女を好きになる迄の話。
「美味しいねぇ、西瓜。」
「うん、美味いな、西瓜。」
せっかくの今年最後の西瓜なのに、味がよく分からなかった。けど、とっても美味しかったんだ。
「と一緒に居ると、俺、腹が減るよ。」
「…!?え、なに。私がお肉にでも見える?」
「さぁ、わかんねぇ。何でだろうな。」
喉から手が出そうになる様な、腹が減るような。を見ているとそんな心地になる。
「なぁ、は悲鳴嶼さんと恋仲にならねぇのか?……時たま、夜中に部屋行ってるだろ?」
「…!?え、…あー。…そりゃ気がつくよね。」
「まぁ、一緒に住んでるしね。…けど、2人ともそれが理由で弛んだりしねぇし。俺は良いと思うけど。………隠されるより、言って欲しい…かな。」
何となく、そろそろ聞いておきたいと思った。
俺の出る幕では無いが、一緒に生活しているのだ、嫌でも目に入るし、とても気になる。
そんな俺の疑問に、うーん。と唸ったは眉を下げて心底申し訳無さそうに答えた。