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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第54章 もう全部諦めて、僕に抱かれろよ





もう最奥に到達している肉棒を、さらに ぐっぐっ と奥に押し込む。
子宮口に先端が、繰り返しキスをした。


『あ…っ、や、奥…っ』

「気持ち良い…?」

『…ん…っ、きもち…い』

「僕も…気持ち良いよ。もう、溶けてしまいそう」


そこで初めて千が腰を引いた。
ぐちゅ、と卑猥な音が耳を掠める。同時に、脳が揺れる程の快感が私を襲う。


『あっ…!あぁっ、千っ!』

「っ…ぁ、…く、」


強い快感に襲われているのは、彼も同じみたいだった。堪らない様子で、千は腰を振り始める。
肉壁を熱くて硬い肉棒で これでもかと擦られて、とてつもない快感が全身を駆け巡る。


「っ…本当に…どうにか、なってしまいそうだ」

『千…っ、あぁっ!千!』

「ん…エリ…、」


普段は、エリちゃんと呼ぶくせに。
情事の際だけ呼び方を変えるのは、卑怯だ。もっと名前を呼んで欲しくて、堪らなくなる。

“ もっと呼んで ” そう告げようとした矢先、ちょうど唇が塞がれた。
激情をぶつけるような、そんな熱のこもった口付け。置いて行かれたくない一心で、私も懸命に舌を絡めた。

千が顔の角度を変える度に、彼の長髪が私をくすぐった。頬や額、首筋に、さらさらと柔らかに触れるのだ。


『…っは…ぁ、千…』


私は、そんな煌めく髪に手を伸ばす。


「…っごめん、髪…邪魔だな」


まるで煩わしいものでも扱うかのように、千は髪を雑にまとめ上げる。そして、手首にあった髪ゴムを噛んだ。

私は 彼の髪が縛られてしまう前に、口元の髪ゴムにそっと手を伸ばした。
千が驚いたように噛む力を緩めると、それは簡単に私の手に落ちた。


『髪…そのままが、いい』

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