第5章 夏
『公園、楽しかったね』
電車は比較的空いていたので、座ることができた。
「…ん。…また行こ」
『うん!』
「……ねぇ、穂波。今日少し、家に行ってもいい?」
『…へ?…うん、もちろん!』
…どうしたのかな
「…ん。よかった」
『あ、今日ねうちの親仕事で遅いからいないんだけど…夕飯食べていく?』
「…あ、そうなんだ。…挨拶できるかなって…思ってた」
『へ?…あ、そっか。ありがとう………』
〇〇駅に着くのは17:50くらいかな。
『多分、お店にまだいると思うけど…顔出してみる?』
「…え…ぁ…うん。そうする」
『うん!…BBQの時じゃ、なんだか騒がしいだろうし、ちょうどいいかもね。
研磨くんのこと紹介できるのうれしいナ』
「…ん。」
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駅についてお店まで歩く。
「こっちなんだね」
『…うん、家には遠回りになっちゃうけど大丈夫?』
「…ん。大丈夫だよ」
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『よかった、まだ電気ついてる。ちょっとみてくるね』
「…ん」
お店の扉をあける。
母「あれぇ?穂波。どうした?」
『お母さん、お疲れさま。打ち合わせってどこでするの?』
母「洋ちゃんとこで。もうちょっとしたらお父さんとでるけど」
『あ、お父さんもいる?』
母「うん、今は奥にいるよ」
『ちょっと待っててね』
外に研磨くんを呼びにいくと、
研磨くんは既にお父さんに捕まってた。
『あれ、お父さん。奥にいるって聞いたけど』
父「おぉー穂波。庭を見に来たら、少年が立ってたから話しかけちゃったよ」
研磨くんはちょっとびっくりした様子だったので、隣まで行って紹介する。
『お父さん、彼、研磨くん。
研磨くん、今更だけど、お父さんです』
父「研磨くん。いい名前だなぁ!穂波の父です。シゲユキです」
研磨「孤爪…研磨です。…穂波さんと…仲良くさせてもらっています」
父「うん。ありがとうな。天真爛漫な娘だけど、穂波は素直で暖かい子だろう。よろしくな」
研磨「…あ、はい。…すごく…素敵な、ひとです…」
母「穂波〜?」
母がお店から出てきた。