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待つ宵 揺らめく水面

第1章 花信風 滝澤 /平子




「~!!」

良いタイミングで什造先輩が来て、什造先輩を抱きしめる。


「おはようございます~、什造先輩!」

「ふふ、どうしたですか?みんな揃って」

「倉元さんが…」

「…伊東さん、を困らせたらダメですよ~」

什造先輩の言葉に倉元さんは広げていた腕を元に戻した。


そのあと什造先輩は琲世さんにお菓子を貰って、私と手を繋ぎながら会議室へ。


なんだか可愛い2人に癒される。
ペロペロキャンディを舐めながら、琲世さんと楽しそうに談笑する什造先輩。

2人とも戦闘中とのギャップが凄過ぎる…。

******


お昼休みに丈さんにメールを送ることにした。


昨日のお詫びと、お礼。

毎日連絡を取っている訳では無いので仕事以外のメールをするのは未だに緊張する。


送ってからすぐに返信があった。


今から支部に一度戻るから昼一緒にどうかと誘われて、待ってますと送った。

玄関ホール前で待っていると、有馬特等と丈さんが戻ってきた。

「お疲れ様です!」

「さん、お待たせしたね。今日はタケが少し手間取ってね」

「…!!有馬さん!!」

「ふふ、嘘だよ、タケはいつも通り」

有馬特等はふっと笑いながら丈さんを見てる。


ちょっとだけ迷惑そうな顔をする丈さんを見て、有馬特等は笑った。

「有馬さん、こいつと昼行ってきます」

「…俺も行こうかな」
「!」

「あんた琲世と話があるんでしょう?」

「あはは、そうだったね!じゃあね、さん」

「はい!」


タケさんはちょっとだけため息をついて、私の事をみた。


「、何食べたい?」
「丈さんはいつも何食べてるんです?」
「近くの定食屋に行く」
「じゃあ、そこに行きたいです」
「わかった」


丈さんの半歩後ろを歩く。
この人の背中はとても安心する、どこに行くか、どうすればよいかが分かっている背中だ。


桜の花びらが散る道。
少し眩しい丈さんの背中を見つめて歩いていると、ちらっと振り向く丈さん。



目が合う。薄紅色の桜がヒラヒラと舞う。
私は、この人が好きだ。そう、思った。
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