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待つ宵 揺らめく水面

第1章 花信風 滝澤 /平子



黙って丈さんが背中を優しくポンポンってして、

「なんかあったろ」

丈さんのこと見たら私の涙を右手の親指でぐって拭う。


「…丈さん、……政道さんがいました…」
「…、そうか、佐々木が交戦した喰種か」
「はい」
「それで、お前はどうしたいんだ?」

「…、まだわからないです、きちんと確認したわけでもないですし」

「…アオギリと、ピエロ、元喰種捜査官のSレート以上喰種か」


丈さんの話を聞いていると、倉元さんが駆け寄ってきて

「いつまで抱きしめあってるんすか?お2人は!」

と、ニヤついていた。

「…」

丈さんは倉元さんを見てため息をついた。


*****


そして、今日は琲世さんがクリスマス会をするからと招待してくれたのでシャトーへ訪れた。

丈さんと一緒に。


「わあー!さーん!平子さんも!!いらっしゃい!」

琲世さんがにこにこと出迎えてくれて、

「今日はお誘いありがとう。これ、作ってみたんだけど食べて貰える?」


「…ケ、ケーキですか???」
「…う、うん…」


「す、すごい!!!!!僕、ケーキはあまり上手く作れなくて、失敗しちゃったからケーキ屋さんに今から電話しようと思ってて…!!!さんは天使です!!」


ガシっと琲世くんに手を掴まれ、ブンブン振られる。激しい。


「…佐々木、邪魔するぞ」

「はい!!どうぞ!!平子さんが本当にきてくれるなんて感激です!」

「酒を持ってきた」

その一言で今度は丈さんに一度ハグをさせてください~!!と、言う琲世さん。

凄く真顔で断る丈さん。
丈さんはシャンパンを買ってきたらしい。
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