第1章 花信風 滝澤 /平子
《クインケ鋼移送車護衛》は
《オークション掃討作戦》と、同じ日に偶然重なった作戦。
アオギリの樹がこの情報を得ていたら狙われる可能性があると言うことで、S3班が警護にあたっていた。
狙い通り現れたアオギリの樹を撃退し、S3班はその後オークション掃討作戦へ合流。
それにより、宇井特等、法事特等、そして有馬特等がこちらへ参戦となり幕を閉じようとしていた。
大ホールから捜査官たちが地下へ来た。
何やら大ホールに有馬特等が来られたらしい、琲世さんがSレート以上の喰種と激しく交戦していたようだった。
残党喰種の駆逐の為、大ホールへと向かう。
…大ホールは激しい闘いを物語っていた。
有馬特等と、琲世さんの間に女性?の喰種が座り込んでいた。
そして、真戸先輩の視線の先には…良く見えない、よく見えないけれど間違えるはずがなかった。
「……政道さん…」
政道さんがいた。
政道さんは、真戸先輩を見ながら笑っていた。そのまま身を翻し消えていった。
私には気付いてないようだったけど、生きてた。
CCG側に大きな被害をもたらした謎の喰種は、大いなる脅威として捜査官たちの脳裏に刻み込まれた。
その後、琲世さんは有馬特等に座り込む喰種の所有権を求めて、それを有馬特等が容認した形となった。
琲世さんは、なんだか瞳の色が変わっていたように見えた。
私は、暫く動けなかった。