第1章 花信風 滝澤 /平子
帰り道、タクシーに乗った。
平子上等が家まで送ると言ってくれて、甘えることにした。
あと一歩、ただ確信は持てないだけだ。
そして、それが本当ならどうすればいいのだろうか。
私が思い詰めた顔をしたら平子上等は
「考えても仕方ない、お前のしたいようにすればいいんじゃないか?」
「…平子上等…う〜、なんで今日そんな優しいこと言うんですか~」
「たまには甘えろ、誰にも頼らないで1人で全部背負い込むな。助けを呼べ、俺はお前を助けてやる」
平子上等が、私の頭をぽんぽんと撫でた。
「はい…」
私は胸がきゅうってなって平子上等の肩に頭を乗っけた。
平子上等は何も言わず、外を見つめてた。