第1章 花信風 滝澤 /平子
「平子上等…?」
「…お前、今日夜空いてるか?」
「…デートのお誘いならお断りします」
「…」
「怖いです平子上等、嘘です。空いてます。」
「軽くなら今日見てやれる」
「ありがとうございます!」
なんだかんだで平子上等は優しい。
あの日私があんなことを口にしたら少しだけ考えて、まあいいぞ。と、言ってくれた。
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夜になり、平子上等と特別室で待ち合わせ。
「悪い、遅くなった」
「お疲れ様です!」
その後はもう、毎度の如く身体がボロボロになるくらい扱かれた。
最近は平子上等の攻撃を避けろとかいう無茶を言われその特訓と、攻撃速度は早くなってきたけどあまりにも腕力が無さ過ぎて致命傷は与えられない。
と、のことで平子上等からの攻撃をかわしながら、クインケを振って攻撃に転じろ。と、、あの人は人間じゃない。
体力おかしい。
軽くお酒を飲んで帰ると平子上等が言うので少し御一緒することにした。
平子上等はお酒を飲んでも顔色一つ変わらない。
変わらな過ぎて不思議だ。
「、何だ」
私がまじまじと平子上等の顔を見ていたらじろっとこちらを見る平子上等。
「…平子上等ってよーく見たらイケメンですよね」
「…」
「…あ、口説いたわけじゃないですよ?」
「…お前、…一生独り身でいる気か?」
「…、なんですか、急に…」
「ずっと滝澤政道の事を探しているだろ」
「…それは…」
「現場の状況、お前の報告書からみてまずあいつは戻って来ないのはわかっているだろ」
「そんなの、平子上等に言われなくてもわかっています…
でも遺体がないまま、政道さんは死んだって言われても…納得出来ないんです。どうにか生き延びてくれてるんじゃないかなって…思っちゃうんです…」
知らず知らず涙が溢れて止まらなくっていた。
「…お前に言うか迷ったが、俺も少し気掛かりだった。梟討伐戦、死体と死亡者数の数があまりにも合わなかった。嘉納と何か繋がりそうだが、もしそうなら…お前どうする」
「…」