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待つ宵 揺らめく水面

第1章 花信風 滝澤 /平子


話していると平子上等から


「ちょっと来い」と呼び出された。

「…平子上等、なんでしょう…」


実は平子上等にはたまに稽古を付けてもらっている。


一度、オフの日の買い物帰りに喰種に居合わせた。


幸い、ナイフ型のクインケは什造先輩から頂いていたので立ち向かったけれど、ルートA相手にこのクインケでは苦戦を強いられた。


スレスレでなんとか避けながら喰種の目元に切りかかる。

片目を切りつけても、治るのが早く赫子の攻撃を避けるので精一杯。


羽赫の喰種の攻撃をなんとか避け、後に飛んだ時足元の血で足が滑った。


防げない!!と、思ったらガシっと腰を掴まれた。


「鈴屋班か、そこでじっとしておけ」


と、言いその人はクインケで攻撃を防いだ。


これが噂のナゴミ…。あの有馬特等とコンビを組んでいたという平子丈上等。


それは一瞬で終わった。

しなやかな動きで一切の無駄がない。

あんなに大きなクインケなのに切り付ける速度が異常に早い。


瞬きをする間に既にルートAは駆逐されていた。




「…平子上等…稽古をつけてください」
気づけば口から出た言葉がそれだった。

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