第1章 花信風 滝澤 /平子
《オークション掃討作戦まで残り1週間》
今日は什造先輩は当日先行隊となった六月三等と打ち合わせ。
待ち合わせまでの阿原くんも加え3人で間暫し談笑。
「クインクスが集団で現場に投入されるのはこれが初めてですね」
「ですね、ハイセは手を焼いてるみたいですよ、イマイチやる気のない子もいるようですので」
「琲世さん優しい過ぎるとこありますしね」
「沢山の子をみるのは大変ですねえ」
什造先輩は口にお菓子をいっぱい付けてお喋り、ハンカチで口元のお菓子を拭うと先輩はにこにこ笑った。今日も可愛い什造先輩。
そこに六月三等が来て2人は打ち合わせへ。
阿原は驚いているようで、
「解散ね!阿原くん!」
と、私が声をかけるとさらに動揺をしていた。
*******
私も今日は打ち合わせ。
平子上等、真戸上等、下口上等、琲世さん、私で当日の動きのチェック。
琲世さんの隣に座るとにこりと笑っていた。
「まだ、誰も来てないんですね」
「はい!あ!さん!これ良かったらどうですか?お菓子はあんまりみたいだったんで…」
と、可愛い包装がされた珈琲セットだった。
「え?そんな、なんで…」
私は驚いて琲世さんを見る。
彼は目が合うと凄く優しく笑ってて、受け取って欲しいんです。と、言われた。
「…琲世さん…、ありがとうございます」
「あ!もしかして!珈琲お好きじゃなかったですか?」
「…好きです」
半分喰種の彼を苦手だと言って避けてたけれど、彼は真っ直ぐで無邪気だった。
「…琲世さん、何かお礼したいな」
「お礼なんて!僕が勝手にしたことですし!」
「何かありませんか?私に出来ること…」
「…え、あ!じゃあシャトーに遊びに来てくれませんか?才子ちゃんたちもさんのことよく話してるんです」
「え、それってお礼になりますか?」
「はい!!あ、良かったら平子上等もどーですかー??」
丁度来た平子上等に琲世さんが声をかけた。
「?」
平子上等と目が合う。
「平子上等、シャトー一緒にお邪魔しません?」
「…都合つけれればな」
「やったー!!さんと平子上等が来てくれたらあの子たちも喜びます!」
「当日は何か作って行きますね」
「僕も腕によりをかけて豪華なディナーを!」
なんて会話をしてたら、みんな揃ったので打ち合わせが始まった。