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待つ宵 揺らめく水面

第1章 花信風 滝澤 /平子



「、風呂先入ってくれば?」
「え、先…」

「あ、いや、そういう意味じゃなくて、俺より先って意味だ!」

「…/////す、すみません」

顔がまた熱い…

「お、お風呂借ります…」

先輩の近くにいるのが恥ずかしくて、お風呂へちょっと小走りで行こうとしたらパシって腕を掴まれた。

「?」

先輩の顔をまた見上げる。
先輩の顔も赤くなってて、あれ…

「ごめん、さっきの嘘」
先輩の瞳が私の瞳をいっぱいにする。
目が離せない…けど、自然と目を瞑った。
唇に、唇が重なった。

*******

ちゅ、ちゅ、っ
「んっ、」

少し唇が離れて、私も薄く目を開いた。
そしたらまた、先輩の唇が近づいてきてて、でも見ていたくて…ちゅ、ちゅ、響く水音で頭がくらくらする。
先輩の指が私の後頭部を支えて、柔らかい舌が私の唇をなぞる。

「はあ、んっ、」.

先輩の切なげな瞳がとても綺麗で、薄目で見てるのを悟られないように沢山キスに応えた。


どれくらいキスしてたのかわからないけど、沢山キスをした後は先輩と目が合ってお互い少し照れた。

「お風呂…入っておいで」

先輩に促されて、お風呂に入った。
ぼーっとしちゃう。

あの、大好きな大好きな先輩とキス。
自分の唇をなぞる。
なんか、すごく上手だった…気がする。

比べる人いないからわかんないけど、腰抜けそうだった…。


その後、部屋へ行くと先輩はテレビを見ていた。

「…先輩、お風呂ありがとうございました」
「うん、ベッド使いな」
「は、はい」


先輩が横を通る時、なんだか不安になって先輩の服の裾を摘んだ…反射的に。


そしたら、先輩が

「起きててくれたら嬉しいけど、寝ててもいいよ」


と、頭をぽんってしてくれて私のよく分からない不安は飛んで行った。


先輩のベッドは先輩のいい匂いでいっぱいだった。柔軟剤のほのかな香りと、先輩の匂いでなんだかすごく安心してしまう。


ほんのりうとうとしてきた頃、気配を感じてちらりとそちらを向くと、お風呂上がりの先輩と目が合う。


先輩はふって笑って、私は布団を少しだけ被った。
どうしよ、なんだかキスする前よりもドキドキがすごい、、、先輩いつもよりなんだか色気が…。

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