• テキストサイズ

【ONEPIECE】恵風は海を渡る【エース】

第87章 消えない絆







 「__そーだ。お前ら知ってるか?」

 自身の照れを隠すように、エースは逸らした視線の先にある“ある物”を見て思いついたように声を上げる。

 「盃を交わした者は、兄弟になれるんだ」
 「兄弟?」
 「そう。星に祈るよりも、ずっと確実な誓いだと思わねェか?」

 こっそりとくすねてきたダダンの酒瓶と三つの盃を広げ、小屋の前から少し離れた場所で三人は円を描いて座る。
 心配でついてきた水琴はエースが何をやろうとしているのか気付いた。

 注がれる透明な液体が零れないよう慎重に掲げながら、エースは二人に目を向ける。


 「これから先、おれたちは海賊になるだろ。一緒の船で出られればいいけど、先のことは分からねェ。
 だけどたとえ別の船に乗ったって、この誓いがおれたちを兄弟の絆で結び付ける」

 そうなりゃずっと一緒だ、と得意げに語るエースにサボとルフィは顔を輝かせた。

 「兄弟か……いいな、それ!」
 「エースとサボがおれの兄ちゃんかァ!」
 「よし、それならお前らも持てよ。零すなよ!」

 突き合わされる三つの盃が宙でかつりと音を立て酌み交わされる。

 「……にげー!」
 「これ、めちゃくちゃ強いやつじゃないか?」
 「適当に持ってきたからな。……ルフィ!目ェ回すな!」



/ 1122ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp