第4章 夕虹
「どうしたの……?なんか具合悪そうなんだけど」
バスを降りて傘をさしながら、松本を見上げる。
すると、彼は、うーん……というように首を振った。
「……ちょっと、昨夜はあんまり眠れなかったから……」
「大丈夫?」
「うん。大野さんの顔見たら、なんか元気になった」
そういって、にこりと笑う松本。
俺は、その笑顔をみると、昨日LINEに全く気がつかなかったのを申し訳なく思った。
コンビニで出会った理由を、どう言い訳しようか、と
考えていたけど、この様子ではそんな感じでもなさそうだし。
……ニノと、ずっとベッドにいたから、スマホに触らなかったんだよなぁ。
「ごめんね……昨日」
「ああ……いや、あれは急だったからしょうがないよ」
「……ひょっとして勉強会の誘いだった?」
「……うん……と、いうか。昨日は、俺、大野さんになんだかすごく会いたくて」
「なんで?」
「ちょっと……へこむことがあって……大野さんの顔みたいな……って」
驚いて、松本をみると、彼は照れくさそうに笑ってた。