• テキストサイズ

Attack 《気象系BL》

第6章 春の虹



*******

梅雨真っ只中。


少し無理をした、と思う。

もともと健康には人一倍気を使ってきたつもりだし、食生活だって、一人暮らしだからって手は抜いてない。

だけど、梅雨のじっとりとした蒸し暑さと、ここ最近の忙しさは珍しく俺を弱らせた。
結果、著しく食欲は減退し、俺が、もともともってるヒットポイントも減り、気がつけば。


…………頭いてぇ……


夏風邪にやられたアラフォーの男が出来上がったというわけだ。


パソコンを凝視する振りをして、目をつぶる。


……測ってないが、多分熱はある。


それでも、仕事を休むのは嫌だったから無理矢理出勤した。
役席の立場もあるし、自己管理を失敗したと思われたくなかったからだ。

だが、根性で外回りをおえ、会社に帰ってきたあたりから、寒気がとまらなくなった。

蒸し暑いから、と、クーラーががんがんにきいているフロアにいることが、寒すぎて辛くて、自販機のあるベンチにパソコンごと移動する。

いつも絡んでくるヨコは出張してるし、ショウリと二宮くんは、まだ外だ。


ちょっと休憩しよう……


だが、震える指でコインを投下し、暖をとろうとホットを探すが、季節柄温かいものはおいてない。


マジかよ………ちくしょう


仕方なくスポーツドリンクを選び、口をつけた。
体が震えて仕方なくて、俺は両手で自分を抱きしめるようにして、壁にもたれて目を閉じた。


/ 725ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp