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きみを想う

第14章 誕生


電話を終えてサクラがすずらんに近づく。

「サクラちゃん、先にカカシを診てあげて。
切られて、毒が…」

サクラが今にも泣き出しそうなすずらんに笑顔を向ける。

「カカシ先生はあれくらいじゃ死なないんで、大丈夫です。
それより赤ちゃんが心配なんで少し診させてくださいね」

そう言ってすずらんの診察を開始する。

「すずらんさん。大丈夫です。
赤ちゃんすごく元気ですよ。
ただ、破水しているので、コレから陣痛が始まって出産になります。
陣痛が始まる前に、これに着替えてください」

サクラが簡単なワンピースのような服をすずらんに渡す。

元教え子の成長には、目を見張るばかりだ。

すずらんが着替え始めたのを見てから、サクラがオレのほうに来る。
なんとか床に座り込んだオレに肩を貸し、もう一つのベッドに横たえさせてくれる。
今までのことを簡単に説明すると、脈などを診て、サクラが口を開く。

「すずらんさん、安心してください。
6代目も軽傷です。
ただ、体内にまだ少し毒が残ってるんで、治療が必要です」

すずらんがホッとしたように笑う。

「サクラ、一人前になったな」

「綱手様の下でビシバシしごかれてますからね」

テキパキと治療の用意をしながらサクラが笑う。

「先にすずらんさんに点滴してから6代目の治療を始めますね」

「うん。頼む」

サクラが点滴をした所で産科の先生と看護師らしき人が来る。
サクラと二言、三言話し、「はたけさん。それじゃ、分娩室の近くの部屋に移りますね」て言って、ベッドごと部屋を出て行く。

「すずらん、治療終わったらオレもすぐ行くから。」

緊張した顔のすずらんにそう声をかけると、こくりと頷く。


すずらんが出て行くのを見送ってからサクラが口を開く。

「6代目、無茶しすぎです」

「はは、すまん。
すずらんがいるときに言わないでくれてありがと。
なるべく早く、頼むよ」

「…はい」

ぐったりと横たわるオレに苦笑しながら、サクラが手にチャクラを集中させ治療を開始する。
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