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きみを想う

第12章 贈り物


言った瞬間、大粒の涙がポロポロとこぼれる。
幸せすぎて、胸がいっぱいで、痛いくらいだ。

カカシが一歩近づいて、わたしを優しく抱きしめる。
わたしもカカシの背に手を回し、ぎゅっと抱き返すと、安心する温もりにまた涙が溢れてきた。
わたしが落ち着くまで、カカシはずっとわたしを抱きしめ続けてくれた。



晩ご飯を外で食べ、ケーキでお祝いもしてもらい、すっかり暗くなった道を手を繋いで歩く。

「どんな家がいいかなぁ…」

「オレはこだわりないから、すずらんが決めていいよ」

カカシが一人で暮らしていた殺風景な部屋を思い出す。

「キッチンとお風呂は広いのがいいなぁ。
あと、小さくていいから庭も欲しいよね」

色々と想像が膨らむ。

「二階は子供部屋で、可愛くしたいなぁ…」

「すずらん、子供欲しい?」

聞かれて、深く考えずに口にした言葉に恥ずかしくなる。

「う、うん。カカシの子供、やっぱ欲しいな…。
カカシは?」

「欲しい。
でも、もうちょっとオレだけのすずらんでいて欲しいから悩む、かな」

カカシが歩きながらわたしの肩に腕を回して抱きしめて、頬に唇を寄せる。

「わっカカシ、歩きにくいよ…」

まだいない子供にやきもちをやくカカシが可愛いし、嬉しくてクスクス笑ってしまう。

「カカシによく似た男の子がいいなぁ」

「そう?オレはすずらんによく似た女の子がいいな。」

「じゃあ、1人ずつだね。
兄弟がいた方がきっと楽しいもんね」

「うん。あ…」

「どうしたの?」

「縁側、欲しいな…」

「縁側?」

「うん。
庭に面した縁側。
疲れたら、そこですずらんに耳掃除してもらいたいな」

その場面がリアルに想像できる。

「うん!いいね。
おじいちゃんおばあちゃんになっても、そこで庭見ながらお茶飲んだりしたいね」

「うん」

「楽しみだな〜」

「よかった。
勝手に決めちゃったから、どんな反応が返ってくるかちょっと心配だったんだ」

「すごく嬉しい!
ありがとう。カカシ」

嬉しくてにっこり笑うと、カカシが急にわたしを抱きしめる。

「…、そのすずらんの笑顔、反則でしょ。
可愛すぎて、朝あんなにしたのに、また抱きたくなっちゃった」

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