第11章 蜜月
「うん。
お見合いの写真は綺麗なお嬢様って感じだったじゃない。
なのに、いざお見合いに行ったら木に登ってるわ、すっごい態度悪いわで」
「あれはもう言わないで。恥ずかしいから…」
「あはは、でもあれでちょっと可愛く思えたというか…。
ナルトたちとも歳が近いし、ほっとけないなってなんか思った。
だからそんときは、親心、みたいな気持ちだったんだけどね」
「じゃあいつわたしを好きになってくれたの?」
「やっぱ、看病しにきてくれた時かな…。
一生懸命世話してくれたでしょ。
あれにグッときた。
可愛くて、抱きしめたいのずっと我慢してた」
「ほんと?
あのとき、色々うまくできなくて、呆れられてないかすっごい心配だった」
「全然そんなことなかったよ。
オレ、ずっと1人だったでしょ。
だから、弱ってる時に誰かがそばにいてくれる安心感みたいなのにあの時すごい癒されて、奥さんがいたらこんな感じかなって思って…」
話の途中ですずらんが急にギュッと抱きついてくる。
「すずらん?」
「カカシ…。カカシはもう1人じゃないよ。
カカシはわたしが絶対幸せにするからね…」
強い力で抱きしめてくるやわらかなすずらんの体を、オレも抱きしめ返す。
裸で触れる滑らかで温かな肌が、オレの心まで温めていく。
「すずらん、ありがと。
でも、今でももう十分すぎるくらい、すずらんから幸せもらってるよ」
「ほんと?」
すずらんがオレの顔を覗きこむ。
「うん。
オレすずらんと結婚して、今までにないくらいすごい幸せだもん」
幸せそうに微笑むすずらんの肩に、甘えるように顎を乗せ頬擦りして、やわらかなその頬に唇を軽くつける。
「すずらん、愛してるよ…」
そう言って唇を奪うと、本能のままにすべてを奪うようにすずらんを抱いた。
「もー、お風呂なんかでするから!」
すずらんがびしょびしょに濡れてしまったオレの包帯を巻き直してくれる。
「だって、すずらんのこと好きすぎて、我慢できなかったんだもん。」
すずらんが真っ赤な顔でオレを見て、そして目を逸らす。
「…その言い方は、ずるい。
でも、怪我してるんだから、ダメだよ…」
「ごめん」