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きみを想う

第7章 赤羽の猛攻


「そんなことさせるかよ!!」

ナルトが男に殴りかかる。

しかし、男は拳が当たる寸前ですずらんごと消えてしまう。

「ふふ、まぁそう慌てないでよ」

さっきとは反対側の壁のコブの上に男が立っている。

「この女には傷口から毒を仕込んだ。
あと、そうだな、1時間もしたら死んじゃうよ。
この毒を解毒できるのはこの薬だけ」

男がニヤニヤと手に持った小瓶を揺らす。

「本当は火影の命と引き換えにするつもりだったけど、本人いないんじゃこれも用無しだよね」

そう言って男が小瓶から手を離す。
不意を突かれたナルトが駆け寄るが、間に合いそうも無い。



そのとき、目の前をものすごい速さで何かが通過して、小瓶を掠め取る。

「カカシ先生!」

「6代目!!」

ザザッと音を立てて止まったカカシが、男をギロリと睨みつける。
頭から足先まで全身殺気で覆われたカカシに、敵が怯む。

「お前、忍びのくせにしゃべりすぎなんだよ。
すずらんを返してもらうぞ」

近くにいたサクラに解毒薬を託し、クナイを構え、再び敵に向かっていく。

しかし、クナイがあたるすんでのところで男がまた消える。

入り口近くに立った敵が、歪んだ笑顔で高笑いする。

「はーはははっ!
火影、オレの勝ちだ!
お前の大事な娘、オレが殺してやるよ!」

男がクナイをすずらんの喉元目掛けて振り上げた瞬間ーーー


「神威!」

男の背が黒い炎に包まれる。

「ぎゃっ!!」

男が悲鳴を上げて地面に倒れる。
支えを失ったすずらんが崩れ落ちるのを、カカシが抱き留める。

「この技……、サスケくん?」

茫然とするサクラとナルトに、男を万華鏡写輪眼で焼き尽くしたサスケが、「ぼうっとするな!まずその娘を助けるのが先だろ!」と一括する。

ハッとなってサクラがすずらんの元に急ぐ。

「カカシ先生!診せて!」

そう言うと、カバンを枕にしてすずらんを横たえさせ、呼吸や瞳孔を見る。

ブツブツ呟きながらさっきの解毒薬を飲ませ、医療忍術で手の怪我も同時に治療していく。

みんなが見守る中、しばらく治療が続く。


「とりあえず、これで大丈夫」

サクラが顔を上げ、カカシに告げる。

「よかった……。サクラ、ありがとう」

カカシが心底ほっとした顔で笑う。

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