第7章 赤羽の猛攻
あれから1週間、相変わらず仕事に忙殺されながら過ごしていた。
ヤマトから聞いた赤羽一族のことも、探索班によりアジトが割れ、今夜にも先手を打ってこちらから忍び込む手筈になっていた。
「コレ終わったら、明日こそ早く帰ろうね」
同じように目にクマをこしらえているシカマルに声を掛けて、夕日に染まる部屋で、ひたすら書類と格闘する。
ふいにコツンっと窓を叩く音がした。
一羽の梟が窓の外の柵に止まっていた。
どこかで見たこの鳥に、嫌な予感がする。
その足には小さな紙が結びつけられている。
窓を開けてその紙を取ると、梟は一度旋回してから西の空に去っていった。
紙を開こうとして、血の匂いに気づく。
用心深く開けると、スルリと赤黒いリボンが地面に落ちた。
「リボン……?」
ただならぬ様子にシカマルもやってくる。
「なんすか?それ」
リボンを拾い上げる。
端に綺麗な刺繍が施されたリボンには見覚えがあった。
「すずらん!?」
「え?」
ビックリしてるシカマルをよそに、紙を見る。
『娘の命惜しくば我らのアジトに来い」
とだけ書かれている。
「っくそっ!」
グシャっと紙を握りつぶす。
「何があったんすか?」
冷静に尋ねるシカマルに、一度クシャクシャにした紙を広げて渡す。
紙を読んだシカマルが息を飲む。
「一緒に入ってたリボンに見覚えがある。
たぶん間違い無いけど、一応家に連絡とって確認して」
「はい!」
シカマルがすぐに電話をかける。
「まだ出かけたまま戻ってないそうです。」
念のためパックンにリボンの匂いを嗅いでもらうと、すずらんで間違い無いと言う。
「すぐにアジトに向かう。
数は少数精鋭で行く!
すぐ手配して!」
「はい!」
返事と同時にシカマルが駆け出す。
オレは急ぎ綱手様を訪ねる。
赤羽一族は毒を得意とする。
すずらんは毒にやられている可能性がある。
解毒薬や医療忍者の協力もいるかもしれない。
綱手に事情を説明すると、解毒薬とサクラを連れて行け、と言う。
「この解毒薬はかなりの数の毒に効くが、もしそれでもダメならサクラに毒を直接取り出してもらえ」
「はい。ありがとうございます」
「だが、カカシ、お前は行くなよ」
「……え?」
綱手が鋭い表情でカカシを睨みつける。