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きみを想う

第6章 誕生日


「すずらんの体、柔らかくて、温かくて、気持ちい」

カカシがわたしのお腹に顔を埋めて目を閉じる。
小さい子みたいでなんだか可愛い。
カカシの銀髪に指を埋めて、すくみたいに何度も撫でる。

「耳そうじ、やって」

「うん」

さっきよりも慣れてきて、今度は躊躇いなくできる。
カカシの耳の形、綺麗だな。
そんなことを考えながら耳そうじをしていると、カカシの息がだんだんゆっくりになって、スー、スー、と規則正しい寝息に変わる。

あ、カカシ、寝ちゃった……。

疲れているんよね……。
起こさないようにそっと側にあったバスタオルをカカシのお腹にかけて、頭を撫でる。
お疲れ様。おやすみ。と心の中でつぶやく。

カカシの頭の重みと温もりを感じながら規則正しい寝息を聞いていると、わたしもだんだんウトウトしてきてしまい、目を閉じる。



眩しさに目が覚める。
見慣れない風景に、目をパチパチとしばたかせる。
起き上がると、パサリとバスタオルが床に落ちた。

「あ、起きた?おはよ」

声のする方を向くと、机に向かっていたカカシと目が合う。

「おはよう……」

頭がまだ働かなくて、ぼうっとした頭で考える。

「っっっ!!て、もう、朝!?」

パッと立ち上がり、辺りをキョロキョロ見回す。

「慌てなくても家には連絡しといたから大丈夫だよ。」

「あっありがとう」

またお父様に心配をかけてしまうところだった。

「すずらん、足、痛くない?
オレ、結構あのまま寝ちゃったから」

「さっき立ち上がっても大丈夫だったから平気かな。
カカシ、仕事してたの?」

「ん、書類に目通してただけだよ。」

時計はまだ朝の5時。
本当に忙しいんだな。
カカシのところまで行ってカカシの頭を抱きしめる。

「無理しちゃダメだよ……」

「疲れたら、またあれやってくれるんでしょ」

カカシがわたしを見上げて笑う。
耳そうじのことを言っているんだろう。

「うん!いつでもやるから、言ってね」

「ありがと」

カカシが顔を近づけて、ちゅ、と軽くキスをする。

「でも、あれじゃやっぱ誕生日プレゼントぽくないよね。
カカシ、何が欲しいものないの?」

「んー……。
欲しいものなんてないし……」

しばらく考えていたけど、いきなりパチリと目を合わせてニヤリと笑う。
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