第6章 誕生日
悪い笑い方に、後ずさる。
「な、何??」
離れられないように、カカシがわたしの腰をぐっと引き寄せる。
「すずらんがオレのだって印、つけていい?」
「印?」
キョトンとしたわたしを、カカシが今まで座ってた椅子に座らせる。
カカシの顔が降りてきて、優しいキスをする。
「んっ……」
キスしながらカカシの温かい手が頬から首筋を辿るようになぞる。
「ふ…、ん……」
くすぐったくて、キスのすきまから声が漏れる。
カカシの手が、ワンピースのボタンにかかる。
ビックリして、キスから逃れるように首を振る。
「かっカカシ!?」
でもカカシはわたしの声なんて聞こえないみたいに、今度は首筋にキスしながら、ボタンをひとつ、ふたつと外していく。
ゾクリと肌が泡立つ感覚に、体が震える。
カカシの手を止めようとした手は、逆にカカシの手に捕まってしまう。
そりゃ、カカシのこと好きだけど、まだ数えるほどしか会ってないし、わたし、したことないし、とか色々考えてぎゅっと目を閉じる。
胸までカカシの顔が降りてきて、谷間あたりにチリリと痛みを感じる。
「……っ!」
カカシがペロリと唇を舐めながら顔を上げる。
「はい、できた」
「へ?」
涙目で胸元を見ると、赤い跡がついている。
「ごめんごめん。怖がらせちゃった?」
カカシがわたしの頭を優しく撫でる。
かぁぁっと顔が熱くなる。
心臓がバクバク音が聞こえそうなほど早い。
そんなわたしを面白そうに眺めて、カカシがその赤い跡を指でなぞる。
「消えたらまたつけさせて」
そう言って色っぽくカカシが笑う。
「っ心臓がもたないから、しばらくダメ!!」
そう言ってカカシの手をどかすと、立ち上がりプイっとそっぽを向いて急いでボタンを止める。
カカシはえー、と心底がっかりした顔をして、後ろから抱きついてくる。
「すずらん……?」
甘えた声で言い、カカシがわたしの耳に口付ける。
「すずらん、好き……」
カカシの息が耳にかかり、ピクリと体が跳ねる。
「大好き……」
ぎゅっと抱きしめられて、胸がぎゅうっとなる。
くるりと向きを変えてカカシの方を向くと、わたしもカカシの背中に手を回して抱きしめる。
「わたしも大好き……、だよ」
「うん」
見上げると、カカシが幸せそうに目尻を下げて笑う。