第6章 誕生日
感心していると扉のノブがガチャリとまわる。
みんながクラッカーをドアに向けて構えると、ドアとは正反対の窓が開き、「わぁ!!!!!」
と叫びながら誰かが飛び込んでくる。
「えっ!?」
「わぁ!!」
「きゃあー!」
パンっパパンパン!!!
ビックリした拍子にクラッカーが暴発する。
「だだーいま。
みんな、気配バレバレ」
机の上には、器用にしゃがんで片手を上げるカカシがいる。
「ドアに影分身まで置いてせこい!」
「せっかくのサプライズが!」
みんな口々に文句を言う。
「忍者は裏の裏を読め!
みんなまだまだ甘いね〜」
楽しそうにカカシが笑う。
「で、今日はなんの集まりな訳?
みんな揃って火影室に陣取って……」
みんなを見回していたカカシと目が合う。
「…っすずらん!?
何でここに……」
「えーカカシ先生そこは気づいてなかったの?」
「先生もまだまだだってば!」
みんながゲラゲラ笑う。
「今日はカカシの誕生日だから、さくらちゃんたちが、わたしも呼んでくれたんだよ。」
笑って言うと、「あ、そっか…。今日オレ誕生日か…。」
と今やっと気づいたようで、頭をかく。
それにみんながまた笑う。
「じゃあ、改めて、」
「「「「カカシ先生、誕生日おめでとう〜!!!」」」」
パンパンパン!と残っていたクラッカーの音が部屋に鳴り響く。
「やーでも、カカシ先生にもやっと春が来たかー」
「やっとって何よ。
お前たちがお子ちゃまだっただけで、オレにだって色々あったの」
「嘘だー。あんな本人前で読むような人に誰も寄ってこないでしょ」
「あんな本って??」
わたしが聞くとカカシがもう遅いのに、わたしの耳を塞ぐ。
「ちょっと!よけいなこと言わない!」
ワイワイと楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう。
外はもう真っ暗になってしまった。
「みんな、今日はありがとね」
みんなは明日も仕事だから解散することになった。
「センセーおめでとー!!」
「じゃーなー」
みんなそれぞれ帰っていきパタンとドアが閉まると、急に部屋が静かになる。
「みんな、いい子たちだね」
「うん」
「カカシが毎日忙しいから、息抜きして欲しかったんだって」
サクラちゃんたちから聞いたことを言うと、カカシがすごく嬉しそうに笑う。