第6章 誕生日
今度はグーで殴りそうなサクラちゃんを宥めて、「大丈夫大丈夫!
わたしは20歳だよ!」と言う。
「あ、じゃあ2つ上ですね。
大人っぽい……」
「そんなことないよ。それに中身は全然子供だし。
だから仲良くしてね」
「はい!」「おう!」
カカシとの昔話を聞きながら会場へと向かう。
カカシがものすごく強い上忍だったこと。
どんな先生だったかなど、たくさん昔の話が聞けて嬉しかった。
会場はなんと火影室と言ってカカシがいつも仕事をしている部屋。
カカシは会議で出ていて夕方には戻るそうだ。
扉を開けると、何人かの人がすでに部屋にいた。
「すずらんの姉ちゃん連れてきたぞー!」
「おう、ナルト、サクラ、お帰り」
黒髪を後ろでまとめた鋭い目の男の子が答える。
「あいつはシカマル。
あれでも火影の補佐。
オレらの同期だってばよ」
「あれでもってなんだよ」
ジロリとシカマルくんがナルトくんを睨む。
みんな、仲いいなぁ。
「すずらんです。
よろしくね。シカマルくん」
ペコリ、とシカマルくんが会釈する。
この年で火影の補佐なんてすごいなぁ。
他の子たちにも、1人ずつ紹介してくれる。
しばらくするとドアが開き、「食べ物調達してきたよ〜!」と、両手に袋をたくさん持った2人入ってきた。
「おう!ありがと。
チョウジ、シノ!」
「礼にはおよばん」
「はーぁ、お腹すいた……」
マイペースそうな2人だなぁ。
ぽっちゃりした子がわたしに気づく。
「あっ君がカカシ先生の。
チョウジです。よろしく」
もうひとりも近づいてきて
「シノだ。よろしく……」
とあいさつしてくれる。
「すずらんです。
よろしく。
あっ!ごはん広げるの手伝います!」
ありがとうと言う2人に笑いかけ、テーブルにどんどん料理を広げていく。
「そろそろカカシ先生帰ってきそうよね」
サクラが言って、みんなにクラッカーを渡してまわる。
わたしもクラッカーを受け取る。
学生の時みたいでワクワクするなぁ。
「あっ誰か来る!」
「カカシ先生の気配だってばよ」
「みんなクラッカー構えろ!」
わたしには全然わからないけど、みんな音や気配でわかるんだな。
忍者って、すごいな。