第6章 誕生日
確かにカカシが会いにくるのはいつも真夜中だ。
きっとそれまでずっと働いてるんだよね。
「癒されるもの、かぁ。
抱き枕とか?」
抱き枕で眠るカカシを想像して、可愛くて思わず顔がニヤけてしまう。
「ニヤニヤしてんなよ。キモいな」
「ちょっと、キモいって何よ!」
殴る真似をすると、ケラケラ笑いながらソウマが手でガードする。
「ま、好きな人にもらえたら、なんでも嬉しいって」
グジャっとわたしの頭に手を乗せて、撫で回す。
昔と変わらないソウマの温かい手。
じゃ、オレは今から仕事だから、と歩き出すソウマの腕を取る。
「待って、ソウマ。」
「ん?」と、ソウマが振り返る。
言わなきゃ、きっとずっと後悔する。
「あの、ね。
久しぶりにこうやって昔みたいにふざけあえて嬉しかった。
ごめんね。ずっと、ギクシャクしちゃって。
これからも、たまにこうやって話聞いてくれる?」
ふ、と笑ってソウマがうなずく。
「当たり前だろ。
ギクシャクしちゃったのは、お互い様。
オレも、ごめんな。
ま、オレはいつまでもお前の兄貴だから、なんでも話せよ」
「うん。ありがと。
仕事、頑張ってね」
「おう」
そう言うと、ソウマは持ち場に戻って行った。
誕生日当日、待ち合わせ場所に着くと、金髪の男の子とピンクの髪をした女の子が立っていた。
わたしに気がつくと、ピンクの髪の女の子が「すずらんさんですか?」と声をかけてくれる。
「うん。初めまして。
今日はさそってくれてありがとう。
あなたが、サクラちゃん?」
「はい!
今日は来てくれて、ありがとうございます!
こっちがナルトです」
「よろしくな。すずらんの姉ちゃん。」
ニッと笑って気楽な様子で手を上げる大きな男の子がナルトくん。
「ちょっと!ナルト!大名様のご息女なんだから、敬語使いなさい!」
サクラちゃんがバシッとものすごい音で、ナルトくんの頭をはたく。
仲、いいなぁ。
「きっと、歳も近いし、えらいのはわたしじゃなくてお父様だから、かしこまらないで」
「すずらんの姉ちゃんは、何歳なんだ?」
「コラっ!だーかーら!!」