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【アクナイ】滑稽でも君が好き【短編】

第2章 拝啓、ロボットさんへ【イグゼキュター】



「どうしてこうなった…」


無機質な空間。そして冷たい壁と床と天井。光は一切ない。あるのは外から響いてくる轟音だけだ。

それはまるで翼が風を高速で切る音。言い換えるならば、ヘリコプターの駆動音だ。


「!」


ガコン、という音と共にその轟音が遠ざかって急に静かになった。
手探りで何かないかと探っていたら指の関節にコツン、と何か硬いものが当たった。


「ん?」

「<こんばんは、さくら様>」

「あれ…?その声はランセット…ちゃん?」


突然、声が聞こえたと思えば、彼女は内蔵されているライトで辺り一帯を照らした。
見渡すと、どうやらここはコンテナの中のようだ。まだ現状把握ができない。


「<本日の作戦にさくら様は導入されておりませんでしたが…?>」

「さ、作戦…?」

「<はい。まもなく…いえ、現時刻を以ってレユニオン掃討戦が始まります>」

「は、ぁ?」


ガコン、という音と共に目の前の扉が開いた。…開いたにも関わらず、見えた景色や空は暗い。そして一つの明かりで目を見開いた。


「!…おいおいおい嘘だろ…さくらちゃん…!」


そう言って扉からひょっこりと顔を覗かせたのは、ロドスの前衛オペレーターだった。
彼はゴーグルを額の上まで上げながらこちらに歩み寄って肩を掴んできた。


「どうしてここにいるんだ!?ここは戦場だぞ!」

「い、いや私にも何が何だか…」

「っ…兎に角ここから離れないと…!おいで!ドクターのところへ連れて行くから…!!」


そう言って彼は私の右手首を掴むと、左手で端末を持ち通信を行いながらコンテナの外へと足を向けた。だがすぐに後ろにグイ、と掴まれて男性と共に立ち止まる。ランセットだ。


「<!お待ちください!既に生体反応が…!!>」


そう言った瞬間、コンテナの入口から見える遥か彼方の建物から何かがキラ、と光った。
それが何なのか、訓練をしていれば嫌でもわかった私は反射的に身を引くとともに右手を掴んでいる男性の手を思いきり引っ張った。

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