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【アクナイ】滑稽でも君が好き【短編】

第2章 拝啓、ロボットさんへ【イグゼキュター】



「私は嬉しいよ。さくらを守れる、そして頑なに自己犠牲に走って仕事をするオペレーターの健康状態も管理できるようになることにな!」

「私にばっかり被害が来るんですが!?」

「はて?被害なんてあったかな?」

「ドクター!!」

「まぁまぁ。君のことだ。本当に嫌ならベッドなんて使わせないだろう?」

「うっ…そ、そうですが…ていうか何でそれを知ってるんですか…」

「イグゼキュターからさくらの匂いが僅かにするからな」

「ぁあああドクターの変態いいいい!!」


先民は五感が発達している。この世界の慣れないことナンバーワンに当たる項目の一つだ。
深い溜息を吐いて髪をクシャクシャと掻き乱し、思い通りに行かないことに憤りを感じる。…が、普段護衛任務とは違う任務があるのだろう、背後にいる天使が休めたならそれでいいか、とも思ってきた。


「わかったわかった。なら、任務続行は構わないが、さくらの意思を尊重し、優先順位を最優先としていたが今後から後回しとする。いいな、イグゼキュター」

「了解」

「どういうことですか…」

「さくらの護衛任務を他の任務より重視しないということだよ。もし私がイグゼキュターに他の事を要求したらそちらを優先する。それならいいだろう?」

「!それなら構いません!」

「よし!じゃあこの話は終いだ。っと、早速だがイグゼキュター、今日の昼からの作戦会議の話をしたい。いいか」

「はい。構いません」


一歩、二歩と前に出た彼はデスクに戻って椅子に座るドクターの前に立ち、両手を後ろで組んで聞く姿勢に入った。それは護衛の任務から外れたということを示唆しているようで、ほっと胸を撫で下ろす。


「じゃあドクター、私はこれで。ありがとうございました」

「あぁ。お疲れ様」


一礼し、一人部屋を出る。
今日の予定は、この後の採血から始まり、昼の訓練の後、夕方の娯楽に終わる。充実したものだ。


「よし、今日も頑張るぞーっと」


大きく伸びをして、研究施設に足を向けた。

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