第5章 髪
カットモデルを承諾した角は、
化粧水をつけられ
コンシーラーを塗られ、
眉を描かれる状況に少々困惑気味。
「お、男の人でも、メイク…するんですね」
「ごめんね~?
女の子みたいに色付けたり、
変わるほどじゃないけどね。
見栄えもそうなんだけど、
強い照明を当てたりするから
光で飛ばないようにするためでもあるんだよね」
「大まかな話だが単色より色味があった方が、
販売意欲が刺激されるだろ?
モデルや雑誌、
テレビに出るタレントやなんかも
端麗でも化粧するのが当たり前だ。
画像の質が上がっているから分かるだろ?」
「あ、言われてみれば…」
ビジュアル系からはじまり、
韓国メンズなんかは
自分の魅力をフルに表現している。
人手が足らず、
手慣れたように自分のメイクをしていたから、
角は、
普段も会社にメイクしているのかと聞いてきて、
俺は化粧水やパックもしていると正直に言った。