第41章 進学
いよいよ合格発表のとき。
受験番号227番。
校舎前に張り出された掲示板。
多くの受験者や親御さんたちも来ており、あたりはごった返している。
「普通科は…」
掲示を見つけたがこの距離では文字が判断できない。
いつまで待ってても人の波がおさまらず、すみません、すみませんと人混みをかき分け、なんとか見える位置までやってくる。
227番、227番、227番…
心臓がバクバクする。
受験番号の紙は手汗だらけ。
合格してほしいけど、この波の人数だ。
自分なんて受かりっこないと思う反面、夢でも受かっていてほしい願望。
ここは自分で選んだ高校。
合格するために沢山勉強してきた日々を思い出し、応援してくれている父や通信の先生にも改めてお礼を言いたい。
「………!!」
目に止まった番号を何度も確認する。
217番と間違えそうになったけど俺の受験番号は227番。
227番で間違ってない。
「っ~~~」
やった!!!
夢じゃない。
俺の受験番号が並んでいる。
合格できた。
声にならない喜びを噛み締め、ほかの受験者に邪魔にならないように人混みを抜け出す。
(夢じゃないっ……。夢じゃないよね!!)
その日のうちにすぐ父と先生に連絡した。
死ぬ気で勉強してよかった。
父が通信教育を勧めてくれてよかった。
親身になって教えてくれる先生に出会えてよかった。
後日、合格通知書が届き、高校に行くという実感が少しずつ沸いてくる。
「今度こそ」
友達づくりをやり直したい。
きちんと卒業してたくさん思い出を作るんだと、今までの自分を打ち壊すため髪を染め、高校生活スタートに向けて意気込んだのであった。