第41章 進学
通信教育は、今の俺にあっていた。
そして、高校進学を目指すため、不登校児でも受け入れてもらえる高校を探すことになった。
父さんは金の心配はするなと言ってくれたが、私立の学費はどうみても高い。
なので都立一択。
行きたいと思ったところは二次募集は例年極めてなく、もし、不合格なら滑り止め私立か。
もしくはまた通信制になるのか。
だけど、しっかり学校生活を送りたい。
行かなきゃではなくて、最近は「行きたい」と思えるようになってきた。
理由は、学力がアップしたこともあるし、一番は友達が欲しかった。
同級生と笑って話がしたい。
思い出も作りたい。
俺のアルバムは小学校で止まったままだ。
ろくに通っていない中学校のアルバムは一ページもない。
都立のランクを下げたとしても、学校の雰囲気を見ていたらなんとなく自分の行きたい高校とは違う、と思ったり…。
「やっぱり此処に行きたい」
通信教育の先生や父さんとも相談して死ぬ気で勉強した。
一般入学試験当日。
5教科の手ごたえはあった。
けど、合格している自信と結びつかない。
落ちてたらどうしよう。
周りがみんな頭良さそうに見える。
たくさん人は居たけど、外にでる特訓は父さんとしてたから何とかなった。
面接のあれは失敗だった。
不登校のことを聞かれ、肉体的・精神的にいじめられていたことを部分的に話した。
父が面接官になって繰り返し練習してきたはずなのに、緊張のあまりで言葉に詰まり、焦りと自己嫌悪で半べそ状態。
将来の夢はまだ決まってないが、高校入学したら何をしたいかと聞かれ、素直に「やり直したい」「友達を作りたい」と目標は口にしたものの、転校した中学校でさえ怖気づいていけなかった意気地なしだ。
面接をしてくれた先生たちは、怖い人と優しい人がいたけれど、いったいどう思ったんだろう。