• テキストサイズ

【R18】Querer【創作BL】

第40章 ~槍木祐次郎の場合~



「あと、身バレもしづらいかも。文太が黒に戻したとき、誰かと思った」

「俺の黒歴史……。そんなら金髪で僕っ子はねぇから、俺の真似して”俺”って言やぁいいよ」

「俺も俺っていうけど」

「お前は一々俺に突っかかんなぁー!そんなに漫画面白いのか!?」

「おもろいおもろい」



二人のアドバイスのおかげで新しい中学生活も何とかなりそうだ。
折角、仲良くなれたけどすぐお別れ。

きっと大丈夫。


文太くんも治くんも笑顔で手を振って見送ってくれた。

父の運転する車に揺られ、これからは父と二人で暮らしていく東京の家に向かう。



「どこか寄りたい場所あるか?」

「ううん…。やっぱりまだ、こわいって思ってる」



もともと、人と話したり関わったりするのは苦手なわけではなかった。


ただ、施設内で安心して過ごせたのは、あの人たちが全員味方だったからこそだ。
だからといって外は全員敵というわけではない。
それは分かっているのに。

腑に落ちない恐怖が、どこかしら拭えない思いがあったのも事実。



「これからは父さんも目一杯がんばるから、祐次郎もがんばれよ」

「うん。がんばる」



しかし実際は、自分で思ったよりも重症だったと、後々知ることになるのだった。


/ 727ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp