第5章 髪
カットが終わったら
シャンプー&ヘッドスパ。
仕事の疲れや
凝り固まっていたものが浄化され、
心も身体もリラックスできる。
「あ~やべ。寝れるわ」
「寝落ちしていいよ~」
「もう一生寝ていたい」
血が流れるように温かくなって、
頭皮だけでなく脳ミソまでスッキリしていく。
あまりの気持ち良さに気付いたら寝ていて、
20分ほどの夢心地を味わった。
俺が寝落ちしている間、
カメラを持った知ってる顔の男が
熱心に角に話しかけていた。
「赤司。なにしに来たんだ?」
俺とほとんど身長の変わらない、
赤茶色の髪色をした
ユウとは血の繋がらない義兄弟にあたる弟。
槍木赤司が顔を出していた。