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【R18】Querer【創作BL】

第35章 美容院





いざ写真を撮られると思ったが、
その前に顔に彩りを加えられ
眉毛を剃られたり
描かれたりして狼狽する。



主任のいうように
よく見たら
化粧しているよなと思いつつ、
自分は商品らしくどんな顔をして
カメラの前に立っていいのかと迷う。

ダサい恰好から
別の衣装に着替えさせられ、
お人形さんになった気分だった。





「カメラの準備、
いつでもできてるぜ!」


「じゃあ先にアキにやってもらって、
こんな感じなんだな~とか
全体の流れみて、
一緒に目の保養しようじゃないか!」


「保養してどうする。
初心者の角には経験者が語ってやるよ。
よく見とけよ?

赤司。頼んだぞ」


「うぃっす!」





スタジオに入ると
また主任のオーラが変わった。



自分に何を求められているのか
分かっていて、
それでいて
自分の魅力を最大限に知り尽くしているような…。





「すごいですね…。
なんかこう
スイッチがあるみたいな…」



「うん。俺も毎回見てて驚かされてる。
その時代にいるような
勇敢な男前だけじゃなくて、
変態キャラ、不良、俺様役から
どんな役でもピカイチだなぁって思う。

声のお仕事もらった時なんか
かなり苦労してたみたいだけど
すんなり役に馴染んでたし、
演技の違いでも持て余すことなく
光るものがあるよね」





ユウさんの目は輝いており、
憧れ以上に
誇らしく思っている印象にみえる。





「あ、ごめんね…。
めっちゃ語っちゃって」


「いえ…。俺も牛垣主任が大好きです。
仕事している時よりも
楽しそうですけど、
あの会社で一緒に仕事ができて
俺も誇りに思っています」


「!……そっかぁ。
そう言ってもらえると
俺も嬉しいよ」





ユウさんは自分のことを
褒められたように照れ臭く笑う。

今日はここに来て良かったと
思えるような素敵な出会いがあり、
また近いうちに
髪を弄ってもらおうかと
素直に思うのであった。


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