第35章 美容院
赤司くんと座って
話をしていると、
施行を終えた主任が顔を見せた。
二人は折り合いが悪いのか
主任は冷たくあしらっており、
赤司くんはそれに突っかかっている。
ユウさんも止める様子はなく、
二人の間で
特別意識し合っているモノが
あるのだろうかと勘繰ってしまう。
「よしっ!
それじゃあカットしていくね」
「お願いします…」
ビフォーの写真を撮り終わったのち
カッティングされ、
ストレートからパーマデビューすることに。
パーマは失敗するという
爆発的なイメージがあったが、
あの牛垣主任とその親友がお勧めしてくれたのだ。
その船に乗っかるしかない。
ユウさんはゆるっとしたパーマ、
赤司くんはしっかり動きのあるパーマで
オシャレに纏まっている。
個性は強く出したくないとお願いしたので
乾かしていくと、
ウエーブ感ではなく
ふんわり感がある
ナチュラルなパーマスタイルが完成する。
「おっ、おぉぉ……」
想像以上だ。
自分でも良く分からないが
ストレートの時より印象が柔らかくなって
よく見える気がする。
感動しすぎて
それ以上の言葉が出ず、
周りがワイワイと騒ぎ褒めてくれる。
その中でも
一番感謝したい主任の方へ振り向くと、
「気分はどうだ?」
と聞かれ、
「最高です」
と自然な笑みが零れた。