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【R18】Querer【創作BL】

第35章 美容院





カウンセリングが終わった所で
ユウさんは主任のカットに入り、
俺はそれまで
レア写真が詰まったアルバムを捲っていく。





(ホント主任って絵になるよなぁ…。
写真集やっぱり買おう。
同業者で持ってても
可笑しくないよね。主任ならきっと……)



「おっ。
兄貴の宝物じゃん。
アンタ、見ない顔だ。新規?」



「え、っとぉ…」





突然横から首が飛び出し
声を掛けられビクッとしてしまう。

ウルフベースの赤茶色髪で
スタイリングがきっちり決まっている
若い男の子。

シトラス系の華やかな甘い香りを漂わせ、
キリッと上がった眉毛と
モテる雰囲気がある
フットワークが軽そうな外見と口調。





「あーすんません。
俺、カメラマンの赤司っていいます。
んでそのアルバム持ってるのが
俺の兄貴なんすよ。金髪のね」


「あぁ……そうなんですね。
俺は牛垣主任の部下で
角湊っていいます。
こちらこそ宜しくお願いします」


「かく・みなと……じゃあ湊さんっすね!
俺達全然兄弟似てないでしょ。
血繋がってないんすよねぇ~」


「へ、へぇ…」





いきなり複雑な家族関係を暴露され
反応に戸惑う。

赤司くんはオープンの性格なのか
ズバズバと
恐いもの知らずのように切り込んできた。





「湊さんって今いくつ?
25とかそんくらい?」


「ドンピシャです」


「おおっマジ!?
今日の俺冴えてる~っ!
因みに俺、3つ下で口悪くてすんません。
この年になっても
敬語使い慣れてなくて
いっつも先輩にどやされてさ。
湊さんってそーいうの気にする派?」


「ううん。全然いいですよ」


「おっしゃ~!
湊さんやっさし~!
じゃあこのまま湊さんの血液型あてていく。
まずOではないっ!
残ったのはAかB……う~ん…、
ここは大穴狙うべきか…」





赤司くんは若者らしく勢いがあっていい。



長瀬とは違う人懐っこさで
何を聞かれても許してしまう気がして、
真剣な顔をして当てにこようとする姿勢が
無性に

可愛らしく思えてしまった。


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