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【R18】Querer【創作BL】

第35章 美容院





美容院の扉を開くと
受付に立っていた
自分よりも少し背の低い男の子が
ぱぁーっと明るい笑みを見せる。



懐いた子犬のように
キラキラした目で見ており、
同じ職場にいる
安村くんを思い出してしまった。





(男でも憧れるんだから
ホントすごいよなぁ……)





牛垣主任が来たと分かると
手が空いていたスタッフがゾロゾロと寄ってきた。

暇なのか、と突っ込みたいが仕方あるまい。

社内でもよく見る光景。
打ち解けた雰囲気を出すと
向こうは足を止めて寄ってくる。



オーラの使い分けがえぐい。

これが一流の輝きを放つ
元芸能人なのか。





「おまたせ~っ」





すると物腰が柔らかそうな
おっとりとした声の持ち主が聞こえ、

主任の表情もパッと同時に柔らかくなった。





「ユウ」


「アキ!いらっしゃい。
角くんだね、はじめまして。
槍木祐次郎です。
気軽にユウとか、ユウさんって呼んでね」





主任のいう通り、
フワフワしていて
優しさで溢れているような
たんぽぽのような人だと思った。



顔立ちは整っているけど
どこにでも良そうな感じで、
主張はないけど
自然と癒される、みたいな…。

あと一番驚いたのは
決して低くはない主任より背が高かったこと。





(主任のみる目が優しい……)





この人が高校時代からの親友。

ヘタレ部分が全開なのか、
男らしいよりかは
朗らかで
主任が好くのも頷ける魅力的な人だと思った。


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