第6章 夏合宿やるってよ
練習に、どこか“入らない”状態のまま。
合宿の日を迎える。
『泊まる部屋は、事前に配ったプリントの通り学校毎に分かれます。音駒は多目的ホールAになるので、宿泊用の道具はそっちに運んでください。みなさんの練習中、マネージャーが布団を敷きに部屋を回るので、なるべく荷物は端に寄せてください。全体への連絡は、以上です。』
朝7時30分。体育館。
到着してすぐのミーティングを終えたメンバーに、私は諸連絡をする。
私の連絡がとおれば、黒尾くんをはじめとする3年生があとは仕切ってくれる。
みんなが移動したのを確認して、私はこれから来る学校の案内を行う。
「あ、音駒のマネージャーさんですか? 」
最初に来たのは、梟谷学園高校。
「梟谷3年の雀田かおりです。」
「同じく、白福雪絵です〜。よろしく〜。」
ポニーテールにソバカスが可愛いかおりちゃん。
おっとりした雰囲気の雪絵ちゃん。
『あ、はじめまして。音駒高校3年の、倉尾舞衣です。』
「かーわいい〜。」
「夏合宿、よろしくね! 」
『こちらこそ! 梟谷のお部屋は多目的ホールCなので、案内しますねー。』
「「はーいっ」」
「赤葦〜、みんな連れてきて〜。」
うちは黒尾くんが、ふざけてるわりに主将としてはとてもしっかりしてるけど、必ずしも全ての学校がそうではないらしい。
梟谷は、主に仕切ってるのは「赤葦くん」という2年生なんだとか。
学校ごとに色があるのは、面白い。
梟谷のかおりちゃんと雪絵ちゃん。
生川の英里ちゃん。
森然の真子ちゃん。
次々と学校が到着し、私もマネージャーの人達に挨拶をする。
そして、
『潔ちゃん! 』
「舞衣ちゃん。久しぶり。」
烏野高校が到着する。
『久しぶり! 』
「合宿、頑張ろうね。」
『うん! 』
相変わらず、綺麗。
でも優しい。
「あ、舞衣ちゃん。この子、新しいマネージャーの、」
潔ちゃんがそう言って目を向けた先には、背が小さくて少し幼いけどかわいい女の子。
「や、谷地仁花です!! よろしくお願いシャス!! 」
『あ、音駒高校マネージャーの倉尾舞衣です。私も最近マネージャーになったんだ。』
「え、そうなんですか? 」
『うん。よろしくね。』