【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第4章 優柔と懐柔
『謎はとけたっ!てヤツかしら…』
彼女の得体の知れない"感覚"に早々に観念し正体を明かしたコナン。
誰にも漏らさない事と今後の"協力者"として話を纏めた。
『協力者と言っても…私が役に立てる事なんて無さそう?狙われてるし』
「さんの"感覚"に頼る事があるかもしれない」
『そう言ってもらえると…、あとは肉体的に守れる事はあるかもね!…機会があれば』
頭脳があれど体は少年と少女だ、困る事があれば助けようと心に決めただった。
「それと、痕跡を残させないためにも"ここ"で会うのは今日が最初で最後になる」
『わかったわ』
「ミスティー…さんて呼べばいいかしら」
『でいいよ』
「まだ記憶が戻っていないなら何を言っているか分からないと思うけど…」
『?』
「一科学者だった私は何も出来なかったわ、ごめんなさい」
『薬を自分の意思で飲んだかもしれない、これが分かっただけでも気が楽になった。その薬を私が作ってもらった事も。ありがとう』
どんな理由があれ、その薬を飲まなければならない状況があった、という事は一つ前進だとは考えた。
「私の知る限りで話もでき『それは大丈夫、ありがとう。情報で埋めるより自分で取り戻したい。戻るかはわからないけど…』
「そう、あなたらしくて私は好きよ」
少女の笑う顔は包み込むように優しいものだった。
『私…あなたとはこれからも話したい。許されるなら…』
奇しくも…灰原がシェリーだった頃に、はじめてと会話した時と同じ言葉に胸が傷んだ。
「さん、ごめん。二人きりで会わせるのはリスクがあるんだ…。二人とも狙われているから…」
『うん、わかってる。我儘言ってごめんなさい』
「…でも、二人が話せる機会は作るよ!灰原も…」
「ありがとう、江戸川君」
二人の気持ちを汲んだ"大人対応"なコナンだった。
今後も彼女に会える機会を楽しみに博士の家を後にした。
自身が去った数時間後の工藤邸に、真黒な服に身を纏った彼が現れる事など露知らず。