第2章 帰郷
「だって伊之助、何だかんだ言ってしのぶさんと仲良かったじゃん!俺、見ちゃったもんねー大人しく指切りまでさせられて、、、あんな伊之助見たことない!」
「はぁ?テメェ、何のこと言って、、、」
「しのぶさん、優しかったよな。炭治郎も起きてさ、身体が動くようになったらさ、ちゃんと行こうな、、、ちゃんと行って、お礼しなきゃな」
急に目に涙を浮かべる紋逸。
「あぁ、そうだな、、、。いや、そうじゃねェ。あ、いや、違くはねェけど、、、」
「、、、」
それ以上何を言っていいのか分からなくなって、俺達は黙った。
その時、ふと気配を感じて視線を上げた。
そこには荷物を抱えたアオイが立っていた。
「ア"!アオイ!?」
この俺としたことが全く気配を感じなかった。
心臓が飛び出す勢いで大きく鳴った。
「アオイさん?そんなとこで何してんの?」
床の上に寝転がりながら紋逸が問う。
アオイの視線はどこを捉えているのか分からなかった。
「はっ!あ、あの、今買い物から帰ってきて、それで2人の様子を伺いに、、、」
あ?
何だ、コイツ。
珍しくボーッとしたアオイに俺は違和感を覚えた。
「どうした?」
「何でも、、、」
近づいて様子を伺うが目を逸らすアオイ。
、、、やっぱりおかしい。
「お前、熱でもあんのか?」
「ちょっ、、、」
アオイの額に自分の額を当てる。
「いや、大丈夫か、、、」
それじゃあ何でコイツはこんなに大人しいんだ?
あ!
「分かった!テメェ、腹減ってんだろ!俺ももう腹ペコで、、、」
「違いますッッ!!!、、、っ!もう放って置いて!!」
言いかけた俺の言葉を遮ってアオイは叫んだ。
そしてダッと駆け出して部屋から出て行った。
「何だ?アイツ、、、」
「ごめん、伊之助。俺、今、まずい事言ったかも、、、」
「あ?」
紋逸が青ざめた顔で言う。
「、、、??」
アオイが飛び出して行った理由も、紋逸が今俺と目を合わせようとしない理由も全く分からなかった。
「、、、とりあえず、ベッドに載せてくんない?」