第2章 帰郷
「あー、、、禰󠄀豆子ちゃあん、、、」
「っるせぇな!!さっきから!!っつか、何なんだよ!何でテメェは禰󠄀豆子禰󠄀豆子言うんだよ!」
「?何怒ってんだよー。そんなの禰󠄀豆子ちゃんが好きだからに決まってるだろー?」
何だこいつ。クネクネしやがって。
「チッ!気色悪いヤツ、、、好きって、何だよ」
紋逸の答えに舌打ちをした。
尋ねたのに余計に分からなくなって苛つく。
「、、、エッ、、、!」
そんな俺を見て、口を開けて紋逸は固まった。
コイツはたまにこういう訳の分からん挙動をする。
俺は動かなくなった紋逸を睨んだ。
「何だよ?」
「も、もも、もしかして!!!伊之助、お前、まさか禰󠄀豆子ちゃんに気があるんじゃ、、、!!」
「ハァ???」
紋逸がガクガクと震える。
一体全体、コイツは何を言ってんだ?
「ふッッざけんなぁ!テメェ、一体誰の許可があってそんな馬鹿な気起こしてんだよ!そんなの許さねェからなぁぁ!!!」
「なっ!テメェ、馬鹿!」
紋逸は包帯ぐるぐる巻きの蓑虫のような姿のまま無理やりに飛びかかってきた。
「フンヌーー!!!」
紋逸は興奮でこちらの話は全く耳に入っていないようだ。
「ハァ、、、ったく、このクッソ野郎が!!」
俺は紋逸の身体を持ち上げて、ベッドの下に叩きつけた。
「ブフェッ!!」
「こんの馬鹿!!話を聞けっ!!!ちげーって言ってんだろ!!俺が気になってんのは禰󠄀豆子じゃねェ!!!」
「ハァア!!?貴様、俺の可愛い禰󠄀豆子ちゃんが気にならないって、テメェ一体どんな目をして、、、って、え?違うの??」
馬鹿面で目をパチクリさせる紋逸。
この野郎、こっちの気も知らねェで。
「ハァ、ハァ、、、チッ、やっと正気になったのかよ。そうだよ!俺が気になってんのは、、、」
そうだ。
今、俺の頭に浮かんで仕方ねェ奴は1人だけ。
「ア、、、」
「あ!分かった!!お前、それ、しのぶさんだろ!!?」
俺の言葉を遮って紋逸が叫ぶ。
「、、、はぁ?」
何でここでしのぶが出てくる?