第49章 闘いの終わり
杏(……誰かが、呼んでる。)
瞼を開けた杏は真っ暗な空間に立っていた。
でも、不思議と怖くはなかった。
杏(ここは知ってる………。)
視線を落として自分の姿を確認すると、怪我や隊服の状態は最後に認識したときと変わりない。
鬼舞辻無惨は倒した。
その事実は変わらなそうで、夢ではなかったようで安堵の溜息をこぼす。
改めてどこもかしこも真っ黒な空間の上を眺めて小さく呟く。
『ここは、姉さんたちと会った場所……。』
「杏ちゃん。」
『………。』
背後から聞こえた懐かしい声に僅かに肩を揺らす。
そして、ゆっくりと振り返った。
その瞬間、ぎゅっと体を抱きしめられる。
つ「杏。」
も「杏。」
ゆ「杏ちゃん。本当に、お疲れ様。」
杏の身体を抱きしめる3人の少女が愛おしそうに、杏の名前を呼ぶ。
『百合姉さん…椿姉さん…紅葉姉さん…。』
ゆっくりと、しかししっかりとした声で自分たちの名前を呼ぶ杏の身体をさらに力強く抱きしめる。