第49章 闘いの終わり
そんな優しい息子へ、母は言葉の真意を伝え始めた。
「駄目なのよ…みんなと同じ所へは行けんのよ…。我が子を手にかけて天国へは…。」
そう言いながら空いた方の手で顔を覆った。
母がなりたくて鬼になってしまった訳じゃないことも、鬼となったら見境なく人を襲ってしまうことも、柱である不死川はよくわかっている。
母だって例外じゃない。
だからこそ、不死川は家族の誰も母を責めないと分かっていた。
けれど、大切な人を失った側の気持ちも、大切な我が子を殺めてしまった母の気持ちも、痛い程によく分かる。
だからこそ不死川は母の手を離すことなく、穏やかに微笑んだ。
不「…わかった。じゃあ俺はお袋と行くよ。俺があんまり早く行ったら、あいつらも悲しむだろうし…お袋を背負って地獄を歩くよ。」
けれど、それは叶わなかった。
──ガシッ
「放せ、志津は俺と来るんだ。」
そう言って、不死川と母志津の手を引き離したのは顔に傷のある大男。
ギロッと不死川を睨む目が自分と嫌なほどそっくりだった。
──ドンッ
そのまま体を突き放された不死川は真っ暗闇の中へ落ち始める。