第47章 竈門禰󠄀豆子
そんな禰豆子の耳に聞こえてきた無惨の声。
鬼「この程度の血の注入で死ぬとは。太陽を克服する鬼などそうそう作れたものではないな。」
──ビキッ
怒りに包まれる禰豆子。
けれど、今度はその後の記憶がよみがえってきた。
泣きながら自分の元へと駆け寄る兄。
雪の中で見た冨岡の姿。
自分を娘のように優しく撫でてくれる鱗滝。
鬼であるにも関わらず、人に紛れ暮らしていた珠世と愈史郎。
色とりどりの花束を何度もくれた善逸。
伊之助がたくさんドングリをくれたこと。
──ドサッ
どんどん人間に戻っている禰豆子は体力の消耗により地面へ膝を付いた。
禰󠄀「ハァ、ハァ、ハァ」
それでも、記憶が流れ込んでくるのは止まらない。
お館様の優しい眼差し。
不死川が自身の血を餌に見せてきた柱合会議の景色。
自分を痛めつけた不死川から守ってくれて、頭を撫でてくれた杏の暖かくて優しい手。
それから──…
蝶屋敷で、アオイやカナヲ、きよすみなほたちが優しく木箱の外から覗き込む姿。