第45章 繋がる記憶
建物の2階部分の外壁に思い切り身体を打ち付け、瓦礫とともに地面へと落下する。
『ぐっ、』
なんとか身体を起こすも、受け身を取る間もなく吹き飛ばされ、外壁で頭を打ってしまったため視界がふらつく。
──パラパラ
瓦礫が上から降ってくるためなんとか見上げると杏が叩きつけられた建物の2階部分に大きな穴が空いており、そこから人の足が見えた。
そこまで確認したところでフラリ、と瓦礫の中に倒れ込む。
杏(あの、脚半は不死川さんの…私を庇って…無事…??怪我は…??カナヲちゃん…は…)
カナヲを探して視線を彷徨わせていると、その視界を赤黒いもので遮られる。
杏(血…私の…??頭が痛い…頭は駄目だ、はやく、止血しないと…。)
止血…と思い浮かべながら彷徨わせていた視界に少し離れたところに落ちているものを見つけた。
杏(私の…かん、ざし…。)
手に取ろうと腕を伸ばすもあとほんの少し届かない。
杏(…ねえ、さん………。)
ここで杏の意識は途切れた。
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