第44章 反撃の狼煙
このままここに居る者全員で無惨へ斬りかかったところで無惨へ致命的な攻撃を与える事は不可能だろう。
けれど同時に悲鳴嶼はこの状況を打開する可能性も見えてきた。
悲(いや!!しかし、私と同じく透かして感知できる者がいれば…更に同時に12ヶ所同時に攻撃できれば…!!)
まだまだ、可能性はある。
そう判断した悲鳴嶼は少しでも共有するため戦う者へ呼び掛けた。
悲「伊黒ーーーー!!体を注視しろ!!見え方が変わらないか!?他の者でもいい!!体が透けて見えないか!!」
伊「…。」
その瞬間、伊黒の視界が一瞬変わって見えた。
伊(これは…??今、一瞬…体が透けた??)
けれど、これ以上無惨が黙っている訳がなかった。
──パギャッ
無惨を中心に地面がえぐれる程の圧。
その直後、
──ドォオオオオオオン
まるで地割れしたかのようなそんな大きな音が辺りに響いた。