第43章 きっといつか
茶「ニャー」
隠「可哀想に。」
隠の一人が瓦礫を押し退け、猫を助け始めた。
隠「ほら、出れるか。」
ズリズリと這い出た猫は、特に怪我などはしておらずホッとする隠たち。
けど、ほっとしたのもつかの間。
あろうことか 危険区域の方へと向かって走り出した。
隠「あっ、そっちは危ないぞ!!」
けれど、人が猫の脚に追い付ける筈もなく、彼らはすぐ猫の姿を見失ってしまった。
この猫が愈史郎と珠世の猫だと隠たちは知るよしもなかった。
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──ズザアアアッ
悲鳴嶼、不死川、伊黒、冨岡、杏。
戦える人数は5人になってしまったものの、柱稽古の訓練を生かし連携しながら無惨へ攻撃を続けていた。
そんな中、不死川の攻撃で生まれた隙を利用した伊黒が無惨の左腕を切断。
そのまま少しでも再生を遅らせようと、切断した腕を蹴りあげるが、
──ビチッ
鬼(斬撃と同時に蹴り上げて、切断面を離し即再生するのを阻む。しかし、それをやった所で稼げる時間は瞬き程度…。)
改めて痛感させられる無惨という化け物の脅威。