• テキストサイズ

【鬼滅の刃/煉獄】冬来たりなば春遠からじ

第4章  わっしょい


「煉獄さん、実は私、煉獄さんはある人に少し似てるなって思っていたんです」

「ほう、どなたかな?」

「私の兄です。私には兄が二人いて、その上の方の兄に、煉獄さんは何となく似ています。兄も、よくこうやって私のことをおぶってくれました」

もちろん見た目や性格は全く異なるのだが、時折向けられる優しい微笑みだったり、こうやって自分をさりげなく助けてくれるところなどに、兄と同じものを感じるのだった。

「そうか……。では、俺からも一つ白状しよう。君は、俺の母上に顔立ちが似ている」

「煉獄さんのお母様に、ですか?」

「あぁ。母は俺がまだ子どもの頃に亡くなられているが、時折見せる君の真剣な表情、その凛とした顔がよく似ているのだ」

亡くなった、と聞いて、咲は少し口をつぐむ。

杏寿郎は前を向いたまま、明る過ぎもしないし、暗くもないような口調で言葉を続けた。

「実を言うとな、君のことを初めて見た時、俺は心臓が止まるほど驚いたんだ。まるで母上が生まれ変わられたのかと思うほどに」

そう言ってから、少しだけ顔をこちらに向ける。

「片足が無いというのは君が思っている以上に不利になるだろう。先の鳴柱も片足を失ったことを理由に引退した」

/ 525ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp