第5章 臨時ティーチャー! カリム裏
『ジャミル〜…』
『あれだけ言っただろう?まったく…今日は俺は部活があるから同行はできないぞ』
『うわー!補習なんて嫌だー!』
放課後の教室で叫んでいるのは現スカラビア寮長のカリム。先日からジャミルに試験勉強をするように言われていたが、宴だなんだと毎日騒いで勉強しなかった結果、補習になったのだ。
トボトボと補習室に向かい扉を開くと、そこにはメグがいた。
『あれ?トレイン先生はどうしたんだ?』
「緊急で協会から呼び出しがあったとかで、わたしが代理頼まれたの」
『そうなのか!メグなら楽しくできそうな気がしてきたぞ!』
「カリム、あなた仮にも寮長でしょ。しかもわたしの後輩。スカラビアの寮生たちに示しがつかないじゃない!」
『そうか?メグはちゃんとやってるわけだし、』
「お喋りはそこまで!トレイン先生に任されたからには2度と魔法史で補習なんて受けさせないからね!」
『あ〜…これは、まずい気がしてきたな…』
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『あー!終わったぁー!』
「まだ終わってないぞー」
『嘘だろ!?』
「まだこの課題やらないといけないんですぅー」
『かぁー!...あ!じゃあ、俺の部屋でやろうぜ!』
「そうだねぇ、もう暗くなるし」
『よし!じゃ、そうしよぜ!先に戻ってるな!』
「ん、じゃあ後でねー」
教室に来た時の足取りが嘘のように颯爽と走り去っていくカリムを見送って教室の片づけを再開した。